DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革が注目される中、業務のペーパーレス化が加速しています。業務効率化やコスト削減を目指している企業は増えていますが、導入にはコストや従業員の抵抗感などさまざまな課題がつきまとい、導入がなかなか進まない例も少なくありません。
今回は、ペーパーレス化を検討している企業の方に向けて、ペーパーレス化を実現させるための具体的な方法やメリット・注意点などについて解説していきます。
目次
「ペーパーレス化」とは、紙で行っていた業務や管理を電子データに置き換える取り組みを指します。業務の効率化や長期的な目線でコスト削減につながります。たとえば、紙の使用量を減らすことで、印刷費用や保管スペースの削減が可能です。
また紙の削減は森林資源の保全やCO2排出量の削減につながり、企業としてSDGs(持続可能な開発目標)も訴求していけるでしょう。
ペーパーレス化には、業務効率の向上やコスト削減、セキュリティ面といったメリットがあります。紙や印刷にかかる費用が減り、データでの検索ができるため、情報の共有が迅速に行える点が特徴です。
一方で、導入コストや従業員のツール操作の習得に時間がかかるなどのデメリットも存在します。
メリット・デメリットについて解説していきます。
メリットについては、先述のとおり次の3つがあげられます。
それぞれについて詳しく解説していきます。
ペーパーレス化によるもっとも大きなメリットは業務の効率化による生産性の向上でしょう。
紙が電子に変わるだけで、カットできる作業工程は多いです。また電子化されると情報共有もスムーズになるので、とくに物の管理が楽になります。
たとえば、今まで印刷して配布していたものが電子化されれば、それぞれ個人の端末から情報を確認できるため、印刷→配布という作業そのものを無くせます。そのうえ誰かが枚数を確認して保管するといった管理の手間もかかりません。
また電子化による業務効率化は社内でのやり取り場面だけではありません。たとえば、店舗の値札や顧客への案内板を電子化することも、作業工程の削減にもなります。こちらについての詳細は後述します。
削減した時間をコア業務に回すことで、重要な業務に割ける時間が増えて生産性がさらにアップするでしょう。
ペーパーレス化を進めることはコストの削減にもつながります。
従来まで紙ベースで処理していたものが電子化されれば、紙代はもちろんトナー代や、これらを購入する際の送料や手数料をカットできます。紙の書類を保管するために備えていた棚やファイルも不用になるので、新しいものを購入する必要はありません。保管用の棚がなくなれば、オフィスも広くなり先述した業務効率化にもつながりますよね。
また、プリンター等をリースで借りているのであれば、プリンター台数を減らせるのでリース代やメンテナンス費用の削減にもなります。
詳しくは後述しますが、ペーパーレス化は導入時に一定の費用はかかるものの、長い目でみればコスト削減の手段になります。
ペーパーレス化することで、紛失や盗難、改ざんといったリスクを防げるため、セキュリティ強化ができます。
情報漏洩などといった、情報セキュリティの甘さは企業の信頼失墜につながるため、なんとしても対策をしておきたいところ。
紙媒体の場合は、紛失や盗難といったリスクはつきものですが、電子化されたものは物理的には存在しないので、こういったリスクがありません。
ここまで紹介したように、ペーパーレス化は業務効率やコスト削減といったメリットがあります。しかし電子ペーパーの導入にはいくつかのデメリットも存在します。
は企業にとって大きな課題となることが多いです。これらのデメリットについて、具体的に解説します。
ペーパーレス化を進める際の最大のデメリットは、初期費用です。
電子棚札や電子案内板(デジタルサイネージ)などの電子ペーパーの導入には、ハードウェアの購入はもちろん、運用のためのソフトウェアやシステムのライセンス費用、保守メンテナンス費用もかかります。とくに、大型店舗(施設)でいっきに導入を進めようとすると、初期投資は大きくなる可能性があります。
短期的には紙のコスト削減よりも導入コストが上回るケースも多いため、事前のコスト計算が重要です。
導入コストへの対策としては、スモールステップでレンタルやサブスクリプションからはじめてみる方法です。購入よりも導入コストを大幅にカットできるうえ、撤去も引き取ってもらうだけ。とくに、試験的に一部分導入を試みる際は有効な手段でしょう。
tagELも段階的な導入ができるように、電子ペーパーのサブスクリプションサービスを展開しています。
ペーパーレス化を導入すると、従来までの業務フローは変えざるをえません。
従業員が新しいツールやシステムの操作を習得する必要があります。電子ペーパーやクラウドベースの管理システムの使用には、これまで紙を使っていた作業とは異なるスキルが求められ、とくにITリテラシーに課題がある従業員にとっては、負担が大きく感じられるかもしれません。
また、新しいツールの導入には学習時間や研修が必要で、その間従来の業務が滞る可能性もあります。導入初期段階では、従業員が慣れない作業に時間を取られ、業務効率が一時的に低下することも少なくありません。
そのため、上述したように業務の一部から段階的に導入してみるのがおすすめです。
tagELのサブスクリプションサービスなら、30日間の無料トライアル期間があります。はじめて電子棚札を導入される場合も、操作感をしっかりと確かめてから導入するか決められるので安心ですよ。
ここまでは、ペーパーレス化のメリット・デメリットについて確認してきました。長期目線でみれば、デメリットは一時的なことが多いため、メリットの方が大きいでしょう。ここからは企業でペーパーレス化を進めていく手順について解説します。手順は、下記のように進めていきます。
それぞれの段階について説明していきます。
ペーパーレス化の成功には、まず企業として明確な目的の設定が重要です。
目的例としては、
などが考えられ、重点に置くものを考えてみましょう。
冒頭で述べたように、DXや働き方改革の一環として業務プロセス全体をデジタル化する企業も多いです。また法的な対応として、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応するためといった理由で導入に踏み切る企業もあります。
たとえば、ペーパーレス化として電子棚札を導入する店舗の場合、印刷等の作業工程が必要な紙の棚札から電子化することで、紙代と労力を大幅に減らすことが目的となります
次は業務のどの部分にペーパーレス化を導入するのか、対象を選びましょう。
重要なのは、一度に多くの業務を電子化しようとせず、段階的に進めるために対象は絞ることです。
もっとも効果が見込める部分から着手し、業務に支障がない範囲からはじめましょう。
たとえば、在庫管理や価格変更など、頻繁に紙媒体のやり取りが発生する業務などが適しています。徐々に拡大していくことが成功の鍵です。
対象が定まったら、ツールの選定と本格的な導入段階です。
ペーパーレス化を進めるには、従業員にとっても使いやすいツールやシステムの導入がかかせません。たとえば、電子棚札であれば電子棚札本体と連携するシステムや、アクセスポイントの設置などが考えられます。専用ソフトを使って価格変更や在庫情報をリアルタイムで反映させられ、従業員が都度棚に行く必要がなくなります。
導入後は、定期的に効果検証を行い、必要に応じて改善を繰り返すことが大切です。
予想と比較して「業務効率化がどの程度図れているか」「コスト削減の効果がでているか」「従業員の負担は変わっているか」などを評価します。
たとえば、電子棚札であれば、価格変更の業務が削減し、顧客サービスが向上したかを検証するなどが考えられます。また電子棚札自体の耐久性や表示の視認性なども検討対象に入れることで、長期的な運用の安定性を確認することも重要です。
近年はさまざまなビジネスの経営陣が電子ペーパーの活用に着目している例が増えています。たとえば、次の3つのところは電子ペーパーを活用し、ペーパーレス化によって業務改善が図れている好事例です。
それぞれについて解説していきます。
小売店は、商品の値札や棚札の更新作業に手間と時間がかかりますよね。電子ペーパーを使うことで、これらの作業を省け、業務の効率化を図れます。
これまで例にあげてきた、電子棚札を導入すれば価格変更やセール情報をかんたんにリモートで一括更新でき、従業員が店舗を回って手動で交換する手間がかかりません。従業員がこれまで価格変更にかけてきた時間を、お客さんの対応など別のコア業務に充てられます。
とくに多店舗展開するチェーン店では、価格の統一や最新情報の即時反映ができるため、管理の一元化にはピッタリです。
顧客にもリアルタイムで最新の情報を提供でき、「レジと値段が違う!」といったトラブルを防げるでしょう。正確な価格表示はクレーム削減だけでなく、顧客満足度の向上にもつながります。
美術館では、展示内容や案内情報が頻繁に変わります。
情報を頻繁に変えるほど、紙ベースのインフォメーションボードの管理にはコストがかかりますよね。
電子ペーパー(デジタルサイネージ)を導入することで、展示案内をかんたんに更新でき、運営の効率化が図れます。
また電子ペーパーは反射光を利用するため、目に優しく直射日光下でも見やすいです。
来館者にとってもメリットがあります。
物流倉庫内の作業では、どこも作業効率の向上を求めています。
上記でも紹介した電子棚札は、倉庫内のピッキングリストや商品管理ラベル表示に適しています。
棚札や商品ラベルを電子化することで、在庫の更新や移動をかんたんに管理でき、リアルタイムで情報を反映することが可能です。手動でのラベル張り替え作業が不要となり、ヒューマンエラーの削減にもつながります。
関連記事:電子ペーパーとは?表示原理やメリット・デメリットを徹底解説
本記事では、電子ペーパーの導入方法やメリット・注意点などについて解説してきました。
業務効率の向上やコスト削減など、電子ペーパーを導入するメリットは多いです。
小売店での電子棚札や、美術館でのデジタルサイネージなど、さまざまな業界から注目されています。
もし電子ペーパーによるペーパーレス化を検討しているなら、ぜひtagELにご相談ください。
tagELは、電子棚札のサブスクリプションサービスを提供しており、月9,800円〜(親機費・本体費含む)ご利用いただけるので、初期費用をおさえた導入が可能です。
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