電子棚札の導入を検討したいけど、「どうやって更新・書き換えするの?」と疑問を感じている人もいますよね。
仕組みが複雑そうで、電子棚札を導入しても使いこなせるか不安になる人も多いでしょう。
この記事では、電子棚札の基本から、電子棚札のサブスクリプションサービスを展開するtagELを例に、具体的な更新手順や導入メリット・注意点などをわかりやすく解説します。
操作イメージが明確になると、導入判断がしやすくなりますよ。
電子棚札の更新は意外とかんたんです。
仕組みを理解すれば、現場の業務改善に大きく役立ちます。
目次
電子棚札とは、店舗の陳列棚に取り付けられる電子表示機器で、従来の紙製の値札やPOPをデジタル化したものです。英語では「Electronic Shelf Label(ESL)」と呼ばれ、世界中の小売業で急速に普及が進んでいます。
表示には電子ペーパー技術が使われており、消費電力が少なく、長時間の表示が可能です。
紙のように視認性が高く、周囲の照明に左右されにくいのが特長です。
導入がはじまった当初は、主にスーパーやドラッグストアなどの小売業で活用されていましたが、今では工場や倉庫でも見かけるようになりました。
表示内容を遠隔から変更できるため、在庫の位置表示や作業指示にも応用されています。
業界によっては「電子棚札」ではなく「電子ペーパー」と呼ばれることもあり、活用の幅が広がっています。
今後はAIやIoTと連携した高度な情報管理の一環として、さらなる進化と導入拡大が期待されるでしょう。
電子棚札は、設置した後も内容をかんたんに変更できる点が便利です。
基本的にはクラウド上にあるプラットフォームを介して電子棚札の更新がされる仕組みです。
電子棚札のサービス会社によって多少の違いはあるため、例としてtagELでの場合を見てみましょう。
更新までの大まかなフローは下記のとおりです。
それぞれ解説します。
まずはPCでtagEL管理画面から商品情報等の登録を行います。
店舗内の電子棚札の価格変更を行うためには、このtagEL管理画面から更新情報を送信します。
情報は、システム経由で各棚札に自動で送信され、リアルタイムまたはスケジュール設定に応じて表示内容が書き換え可能です。
店舗スタッフが個別の棚を巡回して値札を差し替えるといった作業が不要となり、大幅な業務効率化が図れます。
POSレジシステム「スマレジ」との連携にも対応しており、スマレジの管理画面から商品価格を変更すると、tagELと連動させて電子棚札にも反映することも可能です。
ただし、スマレジの管理画面で操作をするには事前にtagEL管理画面で商品とデバイスの紐づけが必要です。
tagELの管理画面から商品情報や価格変更などの更新データを登録すると、それらの情報はインターネット経由でtagELのクラウドサーバーに送信されます。
このサーバーは、全国の複数拠点に展開された店舗や倉庫などに向けて、必要なデータを振り分けて配信するハブのような役割を担っています。
一度クラウドに情報がアップロードされることで、本部から複数店舗への一括指示やスケジュール設定による一斉更新が可能です。
送信された更新情報は、次に各店舗内に設置された親機に転送されます。
そのため、電子棚札を利用する場所には親機の設置が必要です。
店舗内に設置された親機を介して各棚札に自動で情報が送信されていきます。
この通信は無線です。
対象の棚札がどこにあっても、あらかじめ紐づけられていれば、その商品に対応する棚札が自動的に更新され、内容が即座に切り替わります。
更新の反映時間は、設置環境にもよりますが、数秒〜数十秒程度で完了するケースが一般的です。
電子棚札を導入するメリットは多々あります。
ここでは、電子棚札の特徴を踏まえた下記のメリットを6つそれぞれ紹介します。
店舗全体の価格情報をまとめて管理できる仕組みがあると、業務効率が大きく変わります。
tagELのような製品であれば、専用の管理システムを通じて各棚札の情報を一括で更新可能です。
個別に作業する必要がないため、作業時間を短縮でき、ミスも起こりにくくなります。
価格変更が多い業態では特に効果を感じやすく、オペレーションの安定につながるでしょう。
情報がリアルタイムで反映される仕組みが整うと、売価の調整やキャンペーン対応もスムーズになります。
紙の値札を使っていると、印刷や張り替えに時間と人手がかかります。
電子棚札を使えば、この工程を省くことが可能です。
tagELでは、画面上で情報を入力するだけで、現場の棚札が自動で書き換わります。
特に価格変更の頻度が高いスーパーやドラッグストア、または季節ごとのセールが多いアパレルショップなどでは、この差し替え作業の自動化によって、スタッフの業務負担が大きく軽減されるでしょう。
売場を歩き回って確認・交換する必要がなくなり、空いた時間を接客や品出しなどのコア業務に振り分けることが可能です。
繰り返し発生する手間がなくなることで、作業のミスも減少し、業務の精度が上がります。
電子棚札の多くは軽量設計で、場所を選ばず取り付けやすいのが特長です。
tagEL製品は、マグネットや専用のホルダーでかんたんに固定できます。
工事不要なタイプもあり、導入時のハードルが低く、すぐに運用を開始できます。
棚替えや売場変更が頻繁な現場でも、柔軟に対応できるため、使い勝手のよさもポイントです。
店内に数百、数千枚の値札を設置する場合、ひとつひとつが重ければ作業負担が大きくなります。
電子棚札は軽量設計のため、什器への取り付けもかんたんです。
価格変更やプロモーションのたびに大量の紙値札を印刷・差し替える必要があると、更新作業のたびに紙ゴミが発生します。
電子棚札であれば、何度でも内容を書き換えて使用できるため、紙の使用を大幅に削減可能です。
産業廃棄物の処理コストや回収作業の手間も軽減され、全体として店舗の「環境負荷低減」と「業務のスマート化」が同時に実現します。
近年では、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みも企業評価の重要な指標です。
店舗や企業が環境配慮型のソリューションを積極的に採用していることを外部にアピールすることで、エコ意識の高い消費者や取引先からの信頼獲得にもつながります。
直射日光が当たる場所では、紙の値札が色あせたり、液晶ディスプレイが反射して読みづらくなったりすることがよくあります。
屋外イベントやオープンエアの売場、日光が差し込む窓際の棚では、視認性の低下が売上や顧客体験に直結することも少なくありません。
その点、電子棚札に使われている電子ペーパーは高視野角・高コントラストなため、太陽の下でもはっきりと見えます。
視認性の高さは、お客様が迷わず価格を確認できる安心感にもつながり、企業としてのイメージアップにもなるでしょう。
屋外販売や窓際の商品棚でも効果を発揮し、どのような場所でも均一な表示品質を保てます。
電子棚札に使われる電子ペーパーは、一度表示を更新すると電力をほとんど消費しません。
表示維持に電力を必要としないため、電池のみで長期間稼働でき、液晶ディスプレイのように外部電源を引く必要がありません。
配線工事が不要なので、設置の自由度が高まり、初期費用もおさえられます。
数年単位で電池が持つ設計になっているモデルも多く、メンテナンスの手間が大きく減ります。
電池切れの心配が少ないことも、日々の業務を安心して行える理由のひとつです。
電子棚札にはメリットが多い一方で、もちろんデメリットもあります。
導入を検討する際には次のような注意点を踏まえて考えましょう。
それぞれ解説します。
電子棚札の導入にあたって、最初に必要となるのが本体やシステムにかかる初期費用です。
紙の値札に比べるとコストは高く、特に大型店舗では導入枚数が多くなるほど負担も大きくなります。
数百枚から数千枚単位で導入するケースもあり、機器の購入費に加えて、管理システムの構築費も発生します。
加えて、運用に関わる維持費も見過ごせません。
電子棚札はバッテリーが長く持つとはいえ、定期的な点検や交換対応は必要になります。
また、システムの不具合や更新が発生した際には追加の支出が生じる可能性もあります。
結果的に、短期間で導入費を回収するのは難しく、予算に余裕がない事業者にとっては慎重な検討が必要です。
電子棚札は電子ペーパーを用いているため、表示できる内容にある程度の制限があります。
たとえば、多くのモデルではフルカラーに対応しておらず、表示は基本的に白黒または限られた色数となります。
そのため、視覚的に目立つカラーPOPのような活用は難しいです。
また、動画や動きのあるコンテンツを扱える製品も少数で、基本的には静止画や文字情報の表示にとどまります。
商品の価格やかんたんな説明文の表示には十分対応できますが、強く訴求したいセール情報やブランドの世界観を演出するには、紙媒体や他のデジタル機器を併用する必要もあるでしょう。
tagELでは電子棚札のサブスクリプションサービスを展開しています。
電子棚札本体と親機のレンタルが可能です。
それぞれのラインナップについて紹介します。
tagELの電子棚札はサイズが「2.13」「4.2」「7.5」と3種類あり、それぞれの詳細は下記の表のとおりです。
サイズ | 外形寸法(mm) | 表示エリア(mm) | 解像度
(pixel) |
画素密度
(DPI) |
重さ
(g) |
動作温度
(℃) |
動作湿度
(%) |
|||
横幅 | 高さ | 奥行 | 横幅 | 高さ | ||||||
2.13 | 72.8 | 34.5 | 13 | 48 | 23.1 | 250×122 | 183 | 33 | 0~40 | 30~70 |
4.2 | 106 | 86 | 13 | 84 | 63 | 400×300 | 183 | 83 | 0~40 | 30~70 |
7.5 | 185 | 121 | 14 | 162.6 | 97.3 | 640×384 | 183 | 201 | 0~40 | 30~70 |
親機の種類は1つで、詳細は下記の表のとおりです。
外形寸法(mm) | 電源供給 | 通信規格 | チャネル数 | 動作温度 (℃) |
|||
半径 | 高さ | 入力電圧 | 定格電流 | 定格電力 | |||
178 | 40 | 5V DC | 2 A | 10 W | Zigbee2.4GHz/TCP/IP | 80 | 0~50 |
電子棚札を導入しようかどうか迷った際はぜひ、tagELのサブスクリプションプランをご検討してみてください。
サービスプランはライトプランとスタンダードプランの2種類から選べます。
それぞれのプランの詳細は下記の表に示します。
ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額 | 12,000円(親機費・本体費含む) | 14,800円 |
親機 | 1台まで無償 | 4,200円/台 |
本体 | 2.13インチ10個まで無償 | 2.13インチ:70円/個 |
4.2インチ:160円/個 | ||
7.5インチ:300円/個 |
ライトプランは2.13インチが10個まで無料のため、小規模から試したい場合にはピッタリのプランです。
スタンダードプランは、1個から利用可能でサイズも選べるため本格的な導入を検討するのに適したプランです。
どちらのプランも30日間の無料トライアル期間があるので、使用感や効果を確認しながらリスクをおさえて段階的に導入していきます。
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