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電子ペーパーのディスプレイの仕組みとは?特徴や紙・液晶との違い

電子ペーパー

2025.04.30

まるで紙のように読めて、電力の消費も抑えられる「未来の紙」として注目されている技術が電子ペーパーです。あまり馴染みのない言葉のように思われますが、身近な使用例では、街中でもよく見かけるスマートウォッチなどに用いられています。

本記事では、未来的なディスプレイ技術として期待が寄せられている電子ペーパーについて解説していきます。

電子ペーパーとは

電子ペーパーとは、電気の力で微小な粒子を動かし、文字や画像を表示する仕組みの表示媒体のことを指します。主に電子書籍リーダーなどに使用されており、液晶や有機ELよりも電力消費が抑えられ、目の負担が少ないという利点があります。

紙のような視認性の高さと再利用の容易さから、ペーパーレス化を進めるうえで非常に有効な手段として注目されています。

電子ペーパーの特徴


電子ペーパーは、周囲の光を反射して表示するため、バックライトを必要とせず、紙のように快適な視認性が特徴です。また、一度画像を表示すると画面維持には電力を消費せず、低電力で稼働できます。

ただし、画像の更新速度が遅く、動きのある動画などの視聴には電子ペーパーは不向きです。加えて、多くのモデルにおいて色数の表示が限られており、カラー表現に乏しいという面があります。下記に、さらに詳しい電子ペーパーの特徴を紹介します。

電源供給がなくても表示できる    

電子ペーパーは、一度表示を決定すると、電圧をかけなくともその画面の状態が持続できます。そのため、ディスプレイの表示を更新する時のみ電力を使用し、表示を維持するうえで電力供給を必要としません。

上記の特徴から、電子ペーパーは液晶ディスプレイなどに比べ、バッテリー寿命が非常に長く、低電力で運用することが可能です。長時間同じ情報を表示する看板などの用途に電子ペーパーは最適と言えるでしょう。

視認性が良い

電子ペーパーは、スマホやPCのような、バックライトを使用する自発光型ディスプレイとは異なり、周囲の光を反射して画面を表示する反射型ディスプレイです。いわば紙と近い構造であり、直射日光の下でも表示がはっきりと見えることから視認性に優れています。

また、どの角度から見ても表示が鮮明であり、ブルーライトの発生が非常に少ないことも特徴です。

薄型で軽量のものが多い

電子ペーパーの基盤はガラスではなく、薄く軽量なプラスチック基盤で代用可能です。加えて、電源供給がなくても画面の表示ができるため、バッテリーも小型で、そのバッテリーに対する冷却パーツも不要です。

シンプルな構造で作られているため、液晶ディスプレイや有機ELに比べて厚みを抑えやすく、素材自体も軽量になります。

様々な場所に設置可能

視認性と省電力性に優れる電子ペーパーは、電源を取りづらい場所や明るい直射日光が当たる屋外でも設置が可能です。電力確保が難しい屋外においては、太陽光発電や小型バッテリーを用いて長期的に設置されています。

また、電子ペーパーは薄型かつ軽量なため、壁や棚のほか、製品のパッケージなど限られた場所にも柔軟に対応可能です。この特性を活かして、交通標識や店舗の値札、案内板、電子ラベルなどにも活用されています。

液晶や紙との比較


電子ペーパーは、液晶よりも視野角が広く、太陽光下での視認性に優れ、低電力での運用が可能です。また、構造がシンプルなため、軽量でありフレキシブルに設置しやすいという利点もあります。そのほか、ブルーライトの発生が抑えられ、目に負担がかかりにくい点も魅力です。

紙媒体と電子ペーパーを比較すると、可搬性に優れ表示内容の更新が容易であり、ディスプレイの再利用も可能なので環境負荷が抑えられます。

電子ペーパーの表示の仕組み

ディスプレイの基本構造は、ピクセルという点の集まりを絵や文字として表示しています。電子ペーパーのピクセルは、電圧をかけると移動する白と黒の粒子が入ったマイクロカプセルで出来ています。このカプセルを並べた電子インク層を透明な電極で挟み、ピクセルごとに電圧をかけて色の表示を制御しています。一つひとつのピクセルに電圧をかけることで集合体である表示画面を変化させているのです。

続いて、電子ペーパーの表示の仕組みについて詳しく解説していきます。

電気泳動方式

電気泳動方式は、微小なカプセル内に帯電した白と黒の粒子を浮かべ、電圧をかけて粒子を移動させることでディスプレイの表示を切り替える電子ペーパーの表示技術です。

黒い粒子はマイナス、白い粒子はプラスの電荷を持ち、電極に電圧をかけるとそれぞれの粒子は反対側の電荷を帯びた電極に引き寄せられます。引き寄せられた結果、カプセルの上部に白い粒子があれば白色に、黒い粒子があれば黒色として表示されます。

エレクトロウェッティング方式

エレクトロウェッティング方式は、電圧をかけると液体の表面張力が変化するという現象に基づいた電子ペーパーの表示方式です。各ピクセルには、透明な電極・絶縁層・そして有色の油性液体と透明な水性液体が封入されています。

電圧OFFのときには、着色された油性液体がピクセルを覆っている状態です。そこから電圧がONになると絶縁層の下にある電極が働き、透明な水性液体がピクセルの前面に移動します。その結果、基盤の白色が表示されて油性液体の露出面積が変化することでピクセルの見え方が切り替わります。

電子粉流体方式(QR-LPD方式)

電子粉流体方式は、粒子でありながら液体のような特性を持つ電子粉流体を用いた表示方式です。電子粉流体は、帯電時は粒子同士が反発するという性質を持ちます。

そこで、電極を有する2つの基盤の間に加える電界を切り替えることで、基盤間の空気中に封入された電子粉流体が所定の電界に応じて移動します。この移動した電子粉流体の発色を透明の基盤越しに視認することで電子ペーパーのディスプレイに画像を表示しています。

コレステリック液晶方式

コレステリック液晶法式は、螺旋状に捻った層状の構造を持つ液晶を用いた表示法式です。

この液晶は、電力を加えずとも、光を透過する状態と反射する状態の両方の状態を維持できる双安定性という特徴を持ちます。また、ある特定の色の光のみを反射する性質があり、これらの特性を利用することで電子ペーパーのフルカラー表示が可能になります。

電子ペーパーの製品例


ここまで電子ペーパーの仕組みや特徴について解説しましたが、具体的にはどのような製品に電子ペーパーの技術が利用されているのでしょうか。

表示内容を瞬時に変更できる手軽さや消費電力の低さ、視認性の高さや軽量で可搬性に優れた点から、電子看板やタブレット型端末などに使用されています。暮らしの身近にある製品例を確認しましょう。

電子看板

表示状態を維持するのに電力を要さない電子ペーパーは電力消費が少ないため、電子看板として有用です。

電源インフラが整備されていない屋外や遠隔地においても稼働でき、視認性の高い電子看板は、バス停の時刻表や電車の時刻表として活用されています。電子ペーパーを利用した電子看板は画面の張り替えが不要で、バッテリーの寿命も長いため、運用コストを大きく抑えられます。

タブレット型端末

電子ペーパーは外光を反射して画面を表示する反射型ディスプレイで、液晶や有機ELのようなバックライトが不要です。光を発しないためブルーライトが発生せず、長時間の利用でも目が疲れにくく、学習や読書に用いられるタブレット型端末のディスプレイにも適しています。また、持ち運びやすく、省電力で端末の充電の回数を抑えられるのも魅力です。

電子棚札

商品の価格や名称を記載した棚札を電子化すると、商品の入れ替えや価格変更の際の更新にかかる工数を削減できます。PCや専用端末から電子棚札へネットワークを介して画面の変更を指示し、一斉に情報を書き換えることで、札の差し替え作業はせずに、自動更新が可能です。スーパーマーケットや家電量販店をはじめ、商品数が多く棚札の変更頻度が高い店舗において業務の効率化に貢献しています。

電子ペーパーの値札の導入方法


一般的な紙の値札は、価格変更や商品入れ替えの際に張り替えの手間や用紙代・印刷費用などのコストがかかります。一方、電子値札は変更に伴う印刷代や付け替え作業が不要となりコストの削減が可能です。

長期運用においても電子ペーパーの値札は省電力・可変性の点から有用性が高いですが、実際に電子ペーパーを導入する際にはどのような方法があるのでしょうか。

以下では、購入とレンタルの2つに分けて解説します。

購入

電子ペーパーの値札を購入するとなると、表示するサイズによって価格が変動します。一般的な小物商品の値札であれば、1,000円から2,000円程度がおおよその相場となります。商品数1000点であれば電子値札本体のみでも100万円以上の初期費用です。

店舗内全面での導入となると、商品数に応じて累進的に費用がかかるため、購入する際の電子ペーパーの初期費用はかなりの高額が予想されます。

レンタル

初期費用を抑えて電子値札を導入したい場合の方法としては、レンタルプランが挙げられます。購入ではなくレンタルとすることで大幅に導入費用が抑えられるうえ、電子値札が不要となった際は引き取りを依頼するだけで撤去が可能です。

まずはトライアル的に導入してみて、継続可否を検討したい事業者にはレンタルによる導入が適しています。

電子ペーパーの導入をご検討の際はtagELにご相談ください


tagELでは電子ペーパーをもっと気軽にお試しいただくべく、サブスクリプション電子ペーパータグを初期費用不要で提供しています。

当社の電子ペーパーはローコストで導入でき、1個からでも貸出が可能なため、規模を問わずご利用いただけます。

使い方も簡単で、納品されてから最短2週間でご利用が開始できます。導入をご検討の際はtagELにご相談ください。

初期費用不要のサブスクプラン

電子ペーパーを導入したいと検討しても、いざ購入するとなると初期費用が高額になりがちです。一方、tagELのサブスクリプションプランであれば、導入時の初期費用がかからず、コストを抑えて電子ペーパーの導入が可能です。

導入にかかる費用は、貸出費用に応じた親機・本体費のみで、およそ月額12,000円(税別)から検討いただけます。

親機・本体が無料

初期費用が高額になりがちなイメージがある電子ペーパーですが、tagELのサブスクリプション電子ペーパータグサービスでは初期費用が不要です。加えて、親機は1台、電子ペーパーの本体は10個(2.13インチのみ)まで無料で提供しています。小規模での電子ペーパーの導入を検討している際にはぜひ当社サービスをご検討ください。

30日間の無料トライアル有

tagELの電子ペーパーには30日間の無料トライアル期間を設けているため、まずは現場でお試しいただき、継続して運用するかどうかを判断することも可能です。トライアル期間中の解約も受け付けており、トライアル利用に際して契約期間の縛りなどもありません。

最短5営業日で納品

tagELの電子ペーパーサブスクリプションプランでは、注文から最短5営業日での納品が可能なため、すぐに導入したいという事業者の方にもおすすめです。

ただし、一度の注文で在庫数を超える電子ペーパーの貸出を希望された場合は、貸し出しまでにお時間をいただくことがございますのでご留意ください。

まとめ

電子ペーパーとは、電気の力で微小な粒子を動かし、文字や画像を表示する仕組みの表示媒体です。省電力で可搬性や視認性に優れており、身近な電子タブレットや電光掲示板など、日常生活の様々な場面で活用されています。

また、電子ペーパーを用いた電子棚札は、価格情報などを更新する際の変更方法が手軽で、印刷費用や運用コストの削減が可能であるという点から、スーパーマーケットなどの小売業界で注目されています。導入を検討中の事業者の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた専門家(アドバイザー)

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